北洋館

北洋館

の建物は、海軍大湊要港部の水交社として、大正4年(1915年)に建築されたものである。

交社というのは、海軍士官の社交場であり、最初は明治36年、この場所に木造で建てられたが大正2年の火災で焼失、2年後に再建された。当時としては珍しい石造りの洋風建築で、外装は釜臥山(かまふせやま)から採石した石材を用い、内装はモザイク模様で欄間等に手彫りの飾付けが施されていた。現在保存されているのは外装のほとんどで、内装については玄関前の天井に僅かにその面影を残すのみである。

軍士官の社交場として隆盛を極めた水交社も、戦後米軍に一時接収されたが、昭和28年に防衛庁に移管となり、以後海上自衛隊大湊地方総監部が、また、翌29年から昭和55年まで約26年間大湊通信隊が使用した。

和56年1月から内部の改修を施し、それまで大湊造修所裏に木造の仮住まいだった北洋館(昭和44年資料館として開館)を移転し同年5月に開館した。

お、この建物は、昭和54年日本建築学会から大正・昭和期の名建築として指定され、全国2万件にのぼる候補建築の中から620件の中に選ばれた。